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神経内科

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診療科紹介

医師としてやりがいを感じる最高の瞬間はいつでしょうか。原因がよくわからない病気の診断ができて、治療を行うことで患者さんが良くなり「先生、良くなりました。有り難うございました」と言われた瞬間ではないでしょうか。神経内科はそうしたやりがいを感じることができる診療科だと思っています。

最近経験した症例ですが、急性発症の構音障害、右片麻痺を呈した40歳代の女性でした。発症2時間以内に来院し頭部MRIで左放線冠に脳梗塞を認めました。すぐにtPA療法(経静脈的血栓溶解療法)を行い、著効し症状は消失して退院となりました。

しかし、臨床上の疑問点として網膜色素変性症の既往があり若年発症で特異な顔貌、手関節の拘縮を認めました。何らかの先天性代謝疾患の可能性を考えさらに精査を行いました。

その結果、ムコ多糖症I型(Scheie症候群)の診断にたどり着くことができました。弁膜症を合併することがあり脳梗塞の原因と考えられました。Scheie症候群はムコ多糖症の中でも軽症で知能障害もなく診断が遅れる場合が多いようです。その後、酵素補充療法を継続して行っています。

このように臨床症状を細かく観察し、検査データと合わせて鑑別診断を考えます。それを一つ一つつぶして行くという地道な作業を必要とします。このような「考える臨床」を我々は目指しています。

当神経内科は3名のスタッフと1名のレジデントの計4名で診療にあたっています。脳・脊髄、末梢神経、筋肉の病気を内科的に診断・治療をしています。最大の特色は脳神経外科と共同で脳卒中センターを運営し、24時間365日on call体制で脳卒中急性期の診断・治療を行っています。

平成19年7月よりSCU(脳卒中集中治療室:stroke care unit)を9A病棟に4床作り、tPA治療を含めた脳卒中急性期治療に役立てています。tPA療法については発症から2時間以内に来院する必要があります。そのため、ホットラインを設け、救急隊や地域とも連携しスムーズな受け入れができる体制を整えています。各科の専門医、専門の看護スタッフやリハビリテーション科と共同し医療を行っています。常時20~35名、年間500名以上の入院患者があります。そのうち70%が脳血管障害であり次に脳炎・髄膜炎の感染症、痙攣発作を主訴とし、8割が緊急入院患者です。その他パーキンソン病、アルツハイマー病、脊髄小脳変性症、多発性硬化症、重症筋無力症といった神経難病やてんかんの診療にも力を入れています。さらにギラン・バレー症候群やCIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)に対する免疫グロブリン大量療法、眼瞼痙攣、顔面痙攣、痙性斜頚に対するボトックス治療や睡眠時無呼吸症候群に対してアプノモニターでの診断、CPAP(経鼻的持続陽圧呼吸療法)による治療を行っています。また脳外科と共同して痙縮に対するITB療法(バクロフェン髄注療法)を行っています。

このように急性期疾患から慢性期疾患まで幅広い臨床を行っているのが当科の特徴です。神経疾患は知識を系統的に整理し、神経学的所見をとり、部位診断、鑑別診断を考え、それに応じた検査計画を立てます。原因を追究するプロセスは、複雑な謎解きに挑戦する「スリルとサスペンス」に満ちたものです。神経内科の対象となる疾患は非常に多く、これからますます社会が高齢化して行き、ニーズも大きいなることが予想されます。患者さんにとって役に立つ神経内科を目標にして診療しています。


神経内科統計(PDF形式)
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