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皮膚科

スタッフの紹介

診療科紹介

1 診療内容

一般的に皮膚疾患というと湿疹やみずむしなどを思い浮かべるかもしれませんが,皮膚科で扱う疾患は実はとても多彩です.当院では皮膚疾患全般にわたって幅広く診療していますが,病院の性質上,皮膚腫瘍,難治性皮膚疾患,全身性疾患の皮膚症状,皮膚科救急疾患などに対応することが多くなります.他の診療科の患者さんに生じた皮膚合併症やトラブルなどに対しても,主科の先生方と連携して診療にあたっています.こういった皮膚科急性期疾患の中でも,特に皮膚腫瘍の診断・治療や皮膚外科手術に力を入れています.
現在常勤医2名,レジデント1名,非常勤医1名で診療を行っています.週2回のカンファレンスを行って情報を共有し,各種疾患の正確な診断と治療について全員で検討しています.科の性質上,外来診療の比重が高くなりますが,疾患や患者さんの状態に応じて年間150名前後の患者さんを入院治療しています.

皮膚悪性腫瘍(皮膚がん)

紫外線の影響や高齢化などのため皮膚がんは増加傾向です.皮膚がんにはいくつかの種類があり,悪性度もさまざまです.さらにその進行度によっても予後は大きく変わります.当院皮膚科では皮膚悪性腫瘍の専門医が中心となって診断/治療を行っており,正確に診断して進行度を把握したうえ,ひとりひとりの患者さんに適切な治療(手術,放射線治療,抗腫瘍薬,免疫療法,など)を選択するようこころがけています.
センチネルリンパ節生検という,リンパ節転移の早期診断を目的とする診断方法も導入しています.
図:皮膚がんの臨床所見.基底細胞癌(左)、悪性黒色腫(右).

皮膚良性腫瘍

皮膚腫瘍の診断では良性の腫瘍か,悪性の腫瘍(いわゆるがん)かを区別することが重要です.まず,後で述べるダーモスコピーや超音波診断装置などの非侵襲的検査を用いて診察し,必要に応じて病理組織検査(皮膚生検)を行います.良性の腫瘍でも大きくなる可能性のあるもの,悪性に変わる可能性のあるもの,生活上支障のあるものなどに対しては,それぞれの疾患に応じた治療を行います.

難治性皮膚疾患(乾癬,水疱症,脱毛症,掌蹠多汗症,など)

皮膚疾患の中には慢性・再発性に経過するものがあり,生命にかかわらなくてもしばしば日常生活の質に影響を与えます.正確な診断に基づいて,種々の外用薬,内服薬,注射薬などによる薬物療法がおこなわれます.紫外線療法などの理学療法も組み合わせて治療をおこなっており,近年種々の皮膚疾患に対する有用性が証明されている紫外線治療機器(エキシマライト,ナローバンドUVB照射装置)も導入されています.
掌蹠多汗症に対しては外用剤の他,イオントフォレーシスによる治療もおこなっています.
なお当院は生物学的製剤の使用承認施設です.重症の乾癬患者さんに対して生物学的製剤による治療が行われています.
図:尋常性天疱瘡の病理組織所見(左)、蛍光抗体法(右)

皮膚病変を伴う全身性疾患:膠原病,血管炎,など

膠原病や血管炎などの全身性疾患は皮膚症状で発見されることも多く,皮膚病変からは重要な情報が得られます.「皮膚は内臓の鑑」といわれる所以です.疑わしい皮膚病変をみつけたら,皮膚生検をはじめとする必要な検査をおこない,潜んでいる全身性疾患をみつけ出します.膠原病内科などと連携して診断・治療しています.

先天性皮膚疾患

周産期医療が充実している当院では,先天性の小児皮膚疾患(先天性水疱症,白皮症,角化症,など)の診療機会も多く,専門の医療機関と連携して診断・治療をサポートしています.

湿疹・皮膚炎・じんましん

原因検索を行い,悪化因子を除去したうえで適切な治療を行います.難治性蕁麻疹,重症アトピー性皮膚炎などの患者さんなどには生物学的製剤による治療も適用されます.

皮膚感染症

ニキビ,とびひ,蜂窩織炎,ヘルペス,帯状疱疹,真菌感染症,など
 

2 皮膚科特殊検査

皮膚科領域では目で視るだけで診断がつく疾患も数多くありますが,必要に応じて適切な検査を行い正確に診断します.
 

1) ダーモスコピー

特殊な拡大レンズを使って皮膚病変を立体的に拡大し,詳細に観察します.
さまざまな疾患に用いられますが,特に皮膚腫瘍の診断に有用です(下図).
図:ダーモスコピーによる診察.良性のホクロ(左).悪性黒色腫(ホクロの癌、右)
 

2) 皮膚超音波検査

皮膚腫瘍,リンパ節の腫れ,などの診断に用います.
図:皮膚良性腫瘍(石灰化上皮腫、左)、および皮膚血管腫の超音波所見(右)
 

皮膚生検(病理組織検査)

局所麻酔をして直径数mm程度の小さな皮膚を採取し,組織診断します.
視診だけで診断の難しい疾患では,しばしば診断の根拠となります.
図:皮膚病理組織検査.基底細胞癌の臨床所見(左).組織所見(右)
 

4) 真菌検査

水虫などの真菌(カビの1種)を証明します
図:白癬菌鏡検
 

5) 細胞診

ヘルペスなどのウイルス感染症などで行います
図:ヘルペス細胞診
 

6) 皮膚アレルギー検査(パッチテスト、プリックテスト、など)

かぶれ,薬剤,食物などの原因検索に役立ちます.
 

7) 紫外線検査

紫外線のどの光線に対する過敏症(アレルギー)を調べます.
 

8) センチネルリンパ節生検

皮膚がんのリンパ節転移を早期に診断します(前述).
図1:悪性黒色腫のセンチネルリンパ節生検.
右母指原発巣(左)、リンパシンチグラフィ(中)、リンパ節への微少転移(右)
 

診療実績

手術件数(2017年度)

302件(手術室にて228件,外来処置室にて74件)
内訳:悪性腫瘍70件,良性腫瘍・母斑152件,その他8件

入院患者数(2017年度)

160人
内訳:悪性腫瘍53件,良性腫瘍・母斑34件,細菌感染症34件,ウイルス感染症11件,皮膚潰瘍・褥瘡7件,熱傷・外傷7件,薬疹・アレルギー2件,水疱症,膿疱症2件,膠原病,血管炎2件,蕁麻疹2件,その他12件
 
・特集診療科紹介 皮膚科(ザ ジャーナルVoll.11 No.4より抜粋)(PDF形式)