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消化器内科では胃がんの診断、内視鏡治療、抗がん剤治療を行っています。

診断

上部消化管内視鏡検査

当院では年間に約3000件の上部消化管内視鏡検査を施行しています。
内視鏡検査で病変を発見した場合には、特殊光(NBI注1)観察や拡大内視鏡観察を併用することが可能で、早期のがんを見逃さないような体制を整えています。
早期胃がんの治療方針決定には、がんの深さの診断が重要です。通常の内視鏡検査のみでは胃がんの深達度診断が困難な病変に対しては、超音波内視鏡検査も併用しています。

注1:NBI(narrow band imaging)は特殊光の一種で粘膜表面の微細構造や微小血管が観察しやすくなり胃がんを含めた腫瘍の観察に有用であることが知られています。

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内視鏡治療

早期胃がんは条件を満たせば、体への負担が少なく、胃の機能も維持できる内視鏡治療が可能です。
内視鏡治療の条件は、胃がんのリンパ節転移の可能性が極めて低く、腫瘍が一括切除できる大きさと部位にあることです。
当院では早期胃がんに対する内視鏡治療として内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD注2)を採用し、年間に約50例を治療しています。
ESDで切除した病変は病理検査で根治性を評価します。当院ではこの病理検査のうちで「切り出し」まで内視鏡医が行っています。これは、腫瘍の中でも特に詳細な評価が必要と思われる部位を病理医に正確に判断してもらうために必須であると考えています。
内視鏡治療で根治できた場合は、年に1回~2回の内視鏡検査による経過観察を行っています。ヘリコバクター・ピロリに感染している場合は、残胃に新たながんが発生するのを抑制する目的で除菌治療を行っています。

注2:ESD(endoscopic submucosal dissection)とは特殊な電気メスやナイフを用いて腫瘍の周囲を切開し、病変部を粘膜下層で剥ぎ取る治療法です。

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抗癌剤治療

胃がんを治癒させるには完全切除以外には方法がなく、現時点では抗がん剤治療のみで胃がんを治すことは困難です。抗がん剤治療はがんの進行を抑制し、症状の発現を遅らせ、生命予後を改善する目的で行われます。
胃がんに対して効果のある抗がん剤はいくつか知られています。当科では胃がん診療ガイドラインに則って治療方針を決定しています。
具体的には抗がん剤治療の開始前にがん組織のHER2注3検査を行い、この結果によって下図のような治療方針で治療を行っています。

抗がん剤治療

また、治癒切除が行われたⅡ期、Ⅲ期の方を対象に胃がん再発を予防する目的で行われる術後補助化学療法にも取り組んでいます。外科医と密に連絡をとり、手術からの回復を待って抗がん剤治療を開始しています。具体的にはテガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(S-1)という内服薬を使用し、原則として術後6週間以内に開始して1年間継続します。

注3:HER2は細胞表面に存在するタンパク質の一種で、これを標的にした分子標的薬が開発されています。胃がん細胞においても過剰発現している場合があります。

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